原油市場日報 2026年6月24日

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原油価格は、きょう朝時点でさらに下落基調です。Brentは77ドル台、WTIは73ドル台まで下がり、米国とイランの和平協議、イラン産原油の一時販売容認、ホルムズ海峡の通航回復期待が、戦争プレミアムを大きく剝がしています。ただし、日本にとっては円安と輸送コストが残るため、ガソリン価格がすぐ大きく下がるとは限りません。

きょうの値動き

米国時間23日の原油市場では、Brent先物が1バレル77.08ドルで取引を終え、WTI先物は73.21ドルで引けました。いずれも約1%下落し、Brentは一時の中東危機相場から大きく水準を切り下げています。市場は「ホルムズ海峡が止まるリスク」よりも、「供給が戻る可能性」を強く織り込み始めています。

なぜ動いたのか

主因は地政学リスクの後退です。米国とイランの和平協議が続くなか、米国がイラン産原油の販売を60日間認める措置を出したことで、イラン産原油が市場に戻るとの見方が広がりました。ホルムズ海峡でも限定的ながらタンカー通航が再開しており、原油価格に乗っていた供給不安の上乗せ分が剝がれています。

需給面では、完全な安心材料とは言えません。Phillips 66のCEOは、ホルムズ海峡周辺にはなお9000万〜1億バレル規模の原油が滞留しており、通常の流れに戻るには時間がかかるとの見方を示しています。通航が再開しても、保険、港湾、貯蔵能力がすぐ平時に戻るわけではありません。

金融市場要因としては、米利上げ観測とドル高が原油の上値を抑えています。ドル建てで取引される原油は、ドル高になると他通貨圏の買い手にとって割高になりやすく、需要見通しの重しになります。市場心理・ポジション調整では、中東リスクを見込んで買われていた原油先物に利益確定売りが続いています。

この動きは一時反応か

今回の下落は、単なる一日の値動きではなく、戦争プレミアムの剝落が続いていると見るべきです。Brentが80ドルを割り込んだことで、市場の焦点は「供給途絶」から「どれだけ早く供給が戻るか」へ移りました。

ただし、構造的な原油安に完全移行したと断定するのはまだ早いです。直近のEIA統計では、米商業用原油在庫は4億1820万バレルで、5年平均を約6%下回っています。ガソリン在庫も5年平均を下回っており、在庫面の余裕は大きくありません。

つまり、原油価格が今後どうなるかは、和平協議の見出しだけでは決まりません。ホルムズ海峡の通航量、イラン産原油の実際の輸出、米在庫の減少が止まるかが重要です。

日本への影響

日本にとって、Brentの77ドル台は明確な安心材料です。この水準が続けば、ガソリン価格、電気代、航空運賃、物流コストへの上昇圧力は和らぎます。

ただし、円安が続いているため、ドル建て原油価格の下落がそのまま国内価格に反映されるとは限りません。さらに、タンカー保険料や輸送費が高止まりすれば、食品や日用品の物流コストにも影響が残ります。家計目線では、Brentの70ドル台定着と円相場の両方を見る必要があります。

明日の注目点

明日は、Brentが77ドル台を維持するか、WTIが73ドル台からさらに下げるかが焦点です。加えて、米国とイランの協議、ホルムズ海峡の通航量、イラン産原油の販売再開、そして米EIA週間石油統計で在庫減少が続くかを確認したいところです。原油価格は下がっていますが、供給回復が数字で確認できるまでは、まだ荒い値動きが残る局面です。

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