原油市場日報 2026年7月1日

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原油価格は、月末の取引でほぼ横ばいでした。ただし、Brentは72ドル台、WTIは69ドル台まで下がっており、6月全体では中東危機で積み上がった戦争プレミアムが大きく剝がれました。日本にとってはガソリン価格や物流コストの上昇圧力が和らぐ材料ですが、円安と石油製品価格の高止まりにはまだ注意が必要です。

きょうの値動き

米国時間6月30日の原油市場では、Brent先物が1バレル72.92ドルで取引を終え、WTI先物は69.50ドルで引けました。いずれも小動きでしたが、Brentは6月に21%下落し、四半期では38%安と、2020年のコロナ危機以来の大幅な月間・四半期下落となりました。価格水準は、米国・イスラエルによるイラン攻撃前に近づいています。

なぜ動いたのか

主因は地政学リスクの後退です。米国とイランの技術者レベルの協議がドーハで続いており、高官協議はまだ見込まれていないものの、ホルムズ海峡の通航回復と外交解決への期待が原油価格の上値を抑えています。

需給面では、湾岸で滞留していた船舶が動き始めたことで、一時的に供給が増えています。アナリスト調査でも、ホルムズ海峡再開による供給懸念の後退を受け、2026年のBrent平均見通しは84.50ドル、WTIは79.49ドルへ引き下げられました。

一方で、供給が完全に戻ったわけではありません。アジアの6月の海上原油輸入は日量2071万バレルと5月から増えたものの、紛争前平均の日量2679万バレルを大きく下回っています。ホルムズ海峡経由の原油流入も、6月は日量279万バレルまで戻りましたが、紛争前平均の日量1558万バレルには届いていません。

金融市場要因としては、原油安がインフレ懸念を和らげる一方、ドル高と円安が日本の輸入コストを下げにくくしています。市場心理・ポジション調整では、中東リスクを買っていた投資家が、月末・四半期末にかけてポジションを整理した動きも大きかったと見られます。

この動きは一時反応か

今回の下落は、一時的な反応というより、戦争プレミアムの本格的な剝落です。Brentが70ドル台前半、WTIが70ドル割れまで下がったことで、市場の焦点は「ホルムズ海峡が止まるリスク」から「供給回復で余剰が出るか」へ移っています。

ただし、構造的な原油安に完全移行したと断定するのは早いです。米国の原油生産は4月に日量1393万バレルと過去最高を更新し、供給面では下押し圧力がありますが、米週間在庫はなお減少が予想されています。

OPECプラスも7月から一部加盟国の生産目標を日量18.8万バレル引き上げます。これは供給増の材料ですが、ホルムズ海峡や中東物流が完全に正常化しなければ、実際の市場への供給増は限定的になる可能性があります。

日本への影響

日本にとって、Brentの72ドル台は明確な安心材料です。この水準が続けば、ガソリン価格、電気代、航空運賃、物流コストへの上昇圧力は和らぎます。

ただし、円安が続けば、ドル建て原油価格の下落がそのまま国内価格に反映されるとは限りません。また、アジアでは原油輸入は戻りつつある一方、軽油やガソリンなど石油製品価格はなお高止まりしているとされます。家計目線では、原油価格だけでなく、円相場と石油製品の卸価格を見る必要があります。

明日の注目点

明日は、Brentが72ドル台を維持するか、WTIが70ドルを回復するかが焦点です。あわせて、米国とイランのドーハ協議、ホルムズ海峡の実際の通航量、米週間在庫の減少幅、OPECプラスの7月増産がどこまで市場に届くかを確認する必要があります。原油価格が今後どうなるかは、和平期待の見出しだけでなく、原油と石油製品が安定して市場へ戻るかで決まります。

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