ロシアの現状を元軍幹部が告発! プーチン大統領への不満が噴出する背景

ウクライナ侵攻から時間が経ち、ロシア国内の状況は大きく変化しています。かつてはプーチン大統領を支持していた人々からも、批判の声が上がり始めているのです。今回の記事では、YouTube動画の内容に基づき、ロシアの元軍幹部たちの告発や、国民の不満がどのように高まっているのかを解説します。
開戦前から見えていた「敗北」
ロシア軍の元幹部たちは、ウクライナ侵攻前から、その「敗北」を予見していたと語ります。プーチン大統領や軍の司令官たちは、ウクライナの人々がロシア軍を解放軍として歓迎し、キーウ(キエフ)が数日で陥落すると考えていました。しかし、現実は大きく異なりました。
退役将軍のレオニード・イワショフは、開戦前からプーチン大統領の辞任を要求していました。モスクワやサンクトペテルブルクなどの主要都市の市議会議員たちも同様に、大統領の辞任を求めていました。彼らは、クレムリンの勝利計画が戦略ではなく、大規模な嘘に基づいていることを見抜いていたのです。
元司令官が語る情報操作と軍の現状
元地上軍司令官のウラジーミル・チルキンは、ロシアの情報機関、特にFSB(連邦保安庁)の失態を指摘します。チルキンによれば、ロシア軍は2008年のグルジア戦争での容易な勝利に酔いしれ、「テレシー症候群」に陥っていたとのことです。彼らは、ウクライナを3日で制圧できると信じていたのです。
チルキンは、ロシアの情報機関が「ウクライナ国民の70%はロシア支持、30%は反対」という誤った情報を流していたと暴露します。しかし、現実はその逆で、「30%がロシア支持、70%が反対」だったのです。また、ロシア軍が過去の戦争と同様に、今回も戦争への準備ができていなかったことを指摘しています。
蔓延る嘘と崩壊する軍の規律
クレムリンでは「すべて計画通りに進んでいる」というおとぎ話が語られていましたが、戦場の現実は全く異なっていました。動画では、手足を失った兵士たちの姿が映し出され、若い兵士たちが将軍たちの嘘のために、手足を失い、未来を奪われていると訴えます。
また、ロシア軍内部では、規律が崩壊し、指揮官が兵士を木に鎖で繋ぐといった犯罪行為が行われていることも明らかになりました。これは、ロシア軍がもはや軍隊ではなく、内部から腐敗した組織であることを示唆しています。
国内で広がる不満と抵抗
戦場だけでなく、ロシア国内も混乱しています。クリミアからの観光客の避難、モスクワでの停電、製油所の火災、断水、ベルゴロドやクルスクへの攻撃など、国内の状況は悪化の一途を辿っています。そして、100万人以上の死傷者が出ていると伝えられています。
このような状況下で、ロシア国内では、プーチン大統領に対する不満と抵抗が広がっています。国営メディアのジャーナリストであるドミトリー・シェトチンは、国民が直面している問題が解決されなければ、政権崩壊とプーチンの終焉につながる可能性があると警告しています。
地方議員による反乱と国民の意識変化
モスクワやサンクトペテルブルクなどの主要都市の市議会議員たちは、プーチン大統領の辞任を要求しています。中でも、サンクトペテルブルクの地方議会は、ロシア議会に対し、プーチン大統領を国家反逆罪で弾劾するよう正式に要求しました。これは、政権に対する直接的な宣戦布告とも言える行為です。
独立系の世論調査機関の分析によれば、国民の意識も変化しています。現在、人口の57%が和平交渉を支持しており、戦争継続を望む人の割合は35%にまで低下しています。これは、プーチン大統領が権力を握っている限り、ロシアに平和は訪れないという認識が広まっていることを示唆しています。
経済危機と国民生活の困窮
国際的な制裁、インフレの進行、そして戦費の増大により、ロシア国民の生活は困窮しています。食料品や医薬品の不足、ガソリンスタンドでの燃料不足など、生活必需品の入手が困難になっています。
特に燃料不足は深刻で、ニジニ・ノヴゴロド地域では、ガソリンが3週間も入手できない状況が続いています。クリミア半島では、ガソリンスタンドの50%が完全に空っぽです。ガソリン価格も高騰し、最低賃金で生活する人々にとっては、車を運転することさえ困難になっています。
年金制度の危機と若者の抵抗
政府は、年金制度を切り崩し、社会保障基金から戦費を捻出しています。年金支給の遅延も発生しており、高齢者たちは生活の危機に直面しています。また、付加価値税(VAT)の引き上げも計画されており、国民の負担はさらに増すことになります。
若者たちは、この戦争を自分たちのものとは考えていません。81%が新たな動員に強く反対しており、2022年の最初の動員後には、70万人以上の若者が国外に脱出しました。政府は、秘密裏に二度目の動員を行っており、若者たちの不信感は高まっています。
軍の人的損害と兵士の母親たちの怒り
ロシア軍の死傷者数は、100万人を超えたと推定されています。政府は、秘密動員で新たな兵士を補充しようとしていますが、訓練不足で士気の低い兵士たちでは、戦況を打開することはできません。
長年プーチン政権を支持してきた兵士の母親たちも、今では怒りをあらわにしています。息子が戦場から帰ってこない、年金が支払われない、政府は嘘ばかりついている。兵士の母親が、息子の動員日を記しただけの横断幕を掲げただけで逮捕されるという事件は、政権に対する国民の信頼が失墜していることを象徴しています。
ロシアの未来は?
ロシアは、ゆっくりとした崩壊の過程にあると言えるでしょう。問題は、何が崩壊の引き金となり、どのように展開していくのかということです。戦場での大規模な敗北、冬のインフラ崩壊、経済危機など、様々な要因が考えられます。
プーチン大統領は、この状況を打開することができるのでしょうか?それとも、ロシアは制御不能な状態に陥り、歴史の暗く混沌としたページに向かって突き進んでいくのでしょうか?
今回の記事では、YouTube動画の内容に基づき、ロシアの現状と今後の見通しについて解説しました。より深く理解するためには、ぜひ動画もご覧ください。

