原油市場日報 2026年6月4日

原油価格は3営業日続伸しました。Brentは97ドル台、WTIは96ドル台まで上昇し、再び100ドルが視野に入っています。米国とイランの交渉が進まないなか、中東で攻撃が再燃し、ホルムズ海峡の供給不安と米原油在庫の大幅減少が重なりました。
きょうの値動き
米国時間6月3日の原油市場では、Brent先物が1バレル97.81ドルで取引を終え、前日比1.81ドル高、上昇率は1.89%でした。WTI先物は96.02ドルで、前日比2.26ドル高、上昇率は2.41%です。原油価格は週初から買われており、Brentの100ドル回復が再び意識されています。
なぜ動いたのか
主因は地政学です。イランがクウェートとバーレーンに向けて弾道ミサイルを発射し、米軍もイランのケシュム島を攻撃しました。米国とイランの接触自体は途絶えていないものの、交渉には進展がないと報じられています。ホルムズ海峡の通航制約が続くなか、市場は停戦期待よりも供給途絶リスクを重く見ました。
需給面でも強い材料が出ています。EIAによると、5月29日までの週の米商業用原油在庫は800万バレル減の4億3370万バレルとなり、市場予想の400万バレル減を大きく上回りました。米原油輸出は日量590万バレルと過去2番目の高水準です。一方、ガソリン在庫は340万バレル、留出油在庫は150万バレル増えており、製品需要には弱さも残ります。
この動きは一時反応か
今日の上昇には、攻撃再燃を受けた短期的な買い戻しも含まれます。ただし、単なる一時反応とは言い切れません。EIAは、ホルムズ海峡の再開遅延と中東生産の回復の遅れを前提に、2026年第2四半期の世界石油在庫が日量平均850万バレル減少すると予測しています。外交交渉がまとまらなければ、Brentが100ドルを超えて上振れる可能性があります。
日本への影響
日本では、原油高に円安が重なると輸入コストが下がりにくくなります。Brentが100ドルへ接近すれば、ガソリン価格だけでなく、電気代、航空運賃、食品や日用品の物流費にも上昇圧力がかかります。数日間の値動きよりも、ホルムズ海峡の通航回復が確認できるかが重要です。
明日の注目点
明日は、Brentが100ドル、WTIが97ドル台を試すかが焦点です。加えて、米国とイランの交渉再開、ホルムズ海峡の船舶通航、クウェートやバーレーン周辺での追加攻撃、米ガソリン需要の回復を確認する必要があります。原油価格が今後どうなるかは、中東情勢と在庫減少の両方で決まる局面です。
