原油市場日報 2026年6月27日

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週末前の原油価格は大きく下落しました。Brentは71ドル台、WTIは69ドル台まで下がり、ホルムズ海峡を通るタンカーが増えたことで、中東リスクの上乗せ分が一段と剝がれています。ただし、船舶攻撃やイランの通航管理姿勢は残っており、日本のガソリン価格や物流コストにとっては「原油安で安心」と言い切るにはまだ早い局面です。

きょうの値動き

米国時間6月26日の原油市場では、Brent先物が1バレル71.99ドルで取引を終え、前日比3.27ドル安、下落率は4.34%でした。WTI先物は69.23ドルで、前日比2.69ドル安、下落率は3.74%です。週間ではBrentが10.86%安、WTIが9.62%安となり、原油価格は中東危機で積み上がった上昇分をほぼ吐き出した形です。

なぜ動いたのか

主因は地政学リスクの後退です。ホルムズ海峡から出るタンカーが増え、原油輸送が止まるという最悪シナリオへの警戒が和らぎました。サウジアラムコも約4カ月停止していたラス・タヌラ港での積み込みを再開しており、市場は「供給が戻る」と見ています。

需給面では、供給回復期待と中国需要の鈍さが下落材料になりました。Reutersは、中国の原油需要がまだ十分に戻っていないことも売り材料になったと伝えています。一方で、EIAによると米商業用原油在庫は前週比610万バレル減の4億1210万バレルで、5年平均を7%下回っています。つまり、価格は下がっていますが、在庫面に大きな余裕があるわけではありません。

金融市場要因としては、原油安がインフレ懸念を和らげる一方、ドル高・円安が日本の輸入コストを下げにくくしています。市場心理・ポジション調整では、ホルムズ海峡リスクを買っていた短期筋が、供給回復を見て一斉に売り戻したと見られます。

この動きは一時反応か

今回の下落は、単なる一日だけの反応ではなく、戦争プレミアムの剝落が続いている動きです。Barclaysはホルムズ海峡を通る原油の流れが増えたことを理由に、2026年のBrent見通しを従来の100ドルから96ドルへ、2027年を88ドルから85ドルへ引き下げました。

ただし、構造的な原油安に完全移行したとはまだ言えません。オマーン沖で貨物船が被弾し、イランは指定ルート外を通る船舶の安全は保証しない姿勢を示しています。ホルムズ海峡の交通量も、戦争前の水準にはまだ遠いとされています。供給は戻り始めましたが、海運リスクは残っています。

日本への影響

日本にとって、Brentの71ドル台、WTIの69ドル台は明確な安心材料です。この水準が続けば、ガソリン価格、電気代、航空運賃、物流コストへの上昇圧力は和らぎます。

ただし、国内価格への反映には時間差があります。円安、タンカー保険料、海運コスト、元売り各社の在庫コストが残れば、原油安がすぐ店頭価格に反映されるとは限りません。家計目線では、Brentの70ドル台前半が定着するか、ホルムズ海峡の通航が安定するかを合わせて見る必要があります。

週明けの注目点

週明けは、Brentが70ドルを維持できるか、WTIが70ドル台を回復するかが焦点です。あわせて、ホルムズ海峡の通航量、船舶攻撃の追加情報、イランの通航管理、米在庫減少の継続、中国需要の回復を確認する必要があります。原油価格が今後どうなるかは、和平報道の見出しではなく、実際に原油と石油製品が安定して市場へ戻るかで決まります。

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