原油市場日報 2026年5月14日

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原油価格は、3営業日続伸のあと反落しました。Brentは105ドル台、WTIは101ドル台で取引を終え、米在庫の大幅減という強材料よりも、米利上げ警戒と需要減速懸念が意識されました。ただし、ホルムズ海峡をめぐる供給不安は残っており、日本のガソリン価格や物流コストへの警戒はまだ解けていません。

きょうの値動き

米国時間5月13日の原油市場では、Brent先物が1バレル105.63ドルで取引を終え、前日比2.14ドル安、下落率は2%でした。WTI先物は101.02ドルで、前日比1.16ドル安、下落率は1.14%です。両指標とも下落しましたが、WTIはなお100ドル台、Brentも105ドル台にあり、原油価格は高値圏での調整という色合いが強いです。

なぜ動いたのか

主因は金融市場要因です。米ボストン連銀のコリンズ総裁が、インフレ圧力が収まらなければ追加利上げが必要になる可能性に触れたことで、投資家は景気減速と原油需要の下振れを意識しました。金利上昇は企業や家計の借り入れコストを押し上げ、経済活動を冷やし、結果として石油需要を抑える方向に働きます。

一方で、需給面はむしろ価格を支える内容でした。EIAによると、米原油在庫は前週比430万バレル減少し、市場予想の210万バレル減を上回りました。ガソリン在庫も410万バレル減少しています。つまり、今日の原油価格がなぜ下がったのかといえば、在庫悪化ではなく、金利と需要への警戒が在庫減少を上回ったためです。

地政学面では、米国とイランの交渉に一定の進展観測がある一方、ホルムズ海峡をめぐる緊張は残っています。トランプ米大統領と中国の習近平国家主席の北京会談も注目材料です。中国はイラン産原油の大口買い手であり、米中の協議が制裁や中東情勢に影響する可能性があります。

市場心理・ポジション調整では、前日までの上昇で利益確定売りが出やすい状態でした。WTIが100ドル台を維持しているため強気派も残っていますが、追加利上げ観測が出ると、短期筋はまず買い持ちを減らしやすくなります。

この動きは一時反応か

今回の下落は、一時的な調整と見るのが妥当です。原油在庫とガソリン在庫は減っており、需給そのものが緩んだわけではありません。さらに、OPECは2026年の世界石油需要見通しを下方修正した一方、IEAは中東戦争の影響で今年の世界供給が需要に届かないとの見方を示しています。市場は「需要減速」と「供給不足」を同時に見ているため、方向感が一方向に定まりにくい局面です。

構造的な原油高に戻るかどうかは、ホルムズ海峡の通航状況に左右されます。EIAのデータでは、ホルムズ海峡を通る原油・石油製品などの流量は、2025年第1四半期の日量2040万バレルから、2026年第1四半期には1460万バレルへ低下しています。これは市場が供給不安を簡単に外せない理由です。

日本への影響

日本にとっては、Brentが105ドル台に残っていることが重要です。INPEXは中東危機による原油高と円安を理由に通期利益見通しを引き上げ、Brent価格の前提も従来より高めに修正しました。さらにReutersは、イラン戦争前の日本が原油輸入の95%を中東に依存していたと報じています。ホルムズ海峡の不安は、ガソリン価格、電気代、航空運賃、物流コストに波及しやすい材料です。

明日の注目点

明日は、Brentが105ドル台を維持するか、WTIが100ドルを割り込まずに踏みとどまるかが焦点です。あわせて、米中首脳会談でイラン産原油や制裁をめぐる発言が出るか、ホルムズ海峡の通航が回復するか、米利上げ観測がさらに強まるかを確認する必要があります。原油価格が今後どうなるかは、中東情勢だけでなく、金利、需要見通し、在庫統計の綱引きで決まる局面に入っています。

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