原油市場日報 2026年4月25日

原油価格は、週末を前に荒い値動きとなった。Brentは105ドル台で小幅高、WTIは94ドル台で反落したが、週間では大幅上昇しており、市場の焦点は「中東情勢が一時的な材料で終わるのか、それとも供給不安として残るのか」に移っている。
きょうの値動き
米国時間24日の原油市場では、Brent先物が1バレル105.33ドルで終え、前日比26セント高、上昇率は約0.3%だった。一方、WTI先物は94.40ドルで、前日比1.45ドル安、下落率は1.5%となった。ただし週間ではBrentが約16%、WTIが約13%上昇しており、今日の小幅な反落だけでは原油高圧力が消えたとは言いにくい。
なぜ動いたのか
主因は地政学リスクだ。イラン情勢をめぐる緊張が続くなか、ホルムズ海峡の通航制約が意識され、原油市場には供給不安のプレミアムが乗っている。Reuters系報道では、ホルムズ海峡の通航がなお大きく制限され、直近24時間に通過した船舶が限られていたことも材料視された。
需給面では、実際の供給混乱が価格を押し上げる一方、高値による需要減退も意識されている。IEAは4月の石油市場報告で、中東・アジアの精製処理量が大きく落ち、製品市場の引き締まりが続いていると指摘している。つまり、単に原油が足りないだけでなく、ガソリンや軽油などの石油製品にも圧力が広がっている。
金融市場要因としては、週末前のポジション調整が大きい。米国とイランの協議再開観測が出たことで、短期筋はいったん買い持ちを減らした。市場心理としては「停戦や交渉が進めば下がるが、再び緊張が高まれば急騰する」という、上下どちらにも振れやすい状態にある。
この動きは一時反応か
今日のWTI下落だけを見ると、一時的な利益確定に見える。しかし、構造的な上振れリスクはまだ残っている。EIAは、4月にDated Brentのスポット価格が先物を25ドル超上回る局面があったと説明し、ホルムズ海峡閉鎖後の短期的な現物市場の逼迫を示す動きだと分析している。
したがって、今回の値動きは「急騰後の一服」ではあるが、「原油価格が落ち着いた」とは言えない。停戦協議が前進すればBrentは100ドル割れを試す可能性がある一方、ホルムズ海峡の混乱が長引けば、再び105〜110ドル台を試す展開も残る。
日本への影響
日本にとって重要なのは、Brentが100ドル台に定着するかどうかだ。日本の原油調達は中東依存度が高く、ホルムズ海峡の不安はガソリン価格、物流コスト、電気代、企業収益に波及しやすい。円安が重なれば、原油価格の上昇は輸入コストをさらに押し上げ、家計のインフレ実感を強める材料になる。
週明けの注目点
次に見るべきは、米国とイランの協議が実際に前進するか、ホルムズ海峡の船舶通航が回復するか、そしてBrentが105ドル台を維持するかだ。原油価格がなぜ上がったのかを考えるうえでは、ニュースの見出しだけでなく、実際の輸送量と現物価格の動きが重要になる。今後どうなるかは、外交の一報よりも、通航再開と供給回復が数字で確認できるかにかかっている。

