原油市場日報 2026年7月2日

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原油価格は、きょう朝時点で一段と下落しました。Brentは71ドル台、WTIは68ドル台まで下がり、米国とイランの協議進展、ホルムズ海峡の通航回復、OPECプラスの増産観測が重なっています。日本にとってはガソリン価格や物流コストの上昇圧力を和らげる材料ですが、円安と海運コストが残るため、国内価格の下落には時間差が出そうです。

きょうの値動き

米国時間7月1日の原油市場では、Brent先物が1バレル71.57ドルで取引を終え、前日比1.38ドル安、下落率は1.89%でした。WTI先物は68.58ドルで、前日比92セント安、下落率は1.32%です。両指標とも4カ月ぶりの安値で、6月後半から続く「戦争プレミアムの剝落」がさらに進みました。

なぜ動いたのか

主因は地政学リスクの後退です。米国とイランはドーハで技術協議を続けており、トランプ米大統領はイランとの協議がうまく進んでいるとの認識を示しました。市場は、ホルムズ海峡をめぐる供給不安がさらに和らぐと見て、原油価格に乗っていた上乗せ分を外しています。

需給面でも下落材料が出ています。米副大統領は、ホルムズ海峡を通る石油の流れが戦争前の水準に戻ったと述べました。加えて、OPECプラスが日曜日の会合で8月以降の生産目標引き上げを検討する見通しも、供給増への警戒につながっています。

一方で、米在庫は価格を下支えする材料です。EIAによると、6月26日までの週の米商業用原油在庫は前週比380万バレル減の4億840万バレルとなり、2018年9月以来の低水準でした。市場予想の450万バレル減よりは小さかったものの、在庫が10週連続で減っている点は無視できません。

金融市場要因としては、原油安がインフレ懸念を和らげる一方、ドル高・円安が日本の輸入コストを下げにくくしています。市場心理・ポジション調整では、中東危機で買われた原油先物に、月初も売り戻しが続いていると見られます。

この動きは一時反応か

今回の下落は、一時的なヘッドライン反応というより、戦争プレミアムの剝落が続いている動きです。Brentが72ドルを割り、WTIが70ドルを下回ったことで、市場の焦点は「ホルムズ海峡が止まるリスク」から「供給が戻りすぎるリスク」へ移りつつあります。

ただし、構造的な原油安に完全移行したと断定するのは早いです。Reuters Breakingviewsは、ホルムズ海峡の船舶通航は回復しているものの、6月28日までの週の通航は242隻で、戦争前の週700隻超にはまだ遠いと指摘しています。さらに中東から中国向けのタンカー運賃は下がったとはいえ、長期平均を大きく上回っています。

つまり、先物価格はかなり落ち着いていますが、物流面は完全には戻っていません。タンカーが十分に戻り、海運コストが下がり、米在庫の減少が止まれば、原油価格は70ドル前後で安定しやすくなります。一方、通航不安や船舶攻撃が再燃すれば、短期的に反発する余地は残ります。

日本への影響

日本にとって、Brentの71ドル台は明確な安心材料です。この水準が続けば、ガソリン価格、電気代、航空運賃、物流コストへの上昇圧力は和らぎます。

ただし、国内価格への反映には時間差があります。円安が続けば、ドル建て原油価格の下落は円換算で薄まります。また、ホルムズ海峡の通航が完全正常化しておらず、タンカー運賃や保険料が高止まりすれば、食品や日用品の物流費にも影響が残ります。日本の家計目線では、Brentの70ドル前後定着だけでなく、円相場と海運コストの低下を合わせて見る必要があります。

明日の注目点

明日は、Brentが70ドル台を維持するか、WTIが68ドル台からさらに下げるかが焦点です。あわせて、米国とイランのドーハ協議、ホルムズ海峡の実際の通航量、米在庫の減少ペース、OPECプラスの増産観測を確認する必要があります。原油価格が今後どうなるかは、和平報道の見出しだけでなく、実際に原油と石油製品が安定して市場へ戻るかで決まります。

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