原油市場日報 2026年5月27日

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原油価格は、前日の急落から一転してBrentが反発しました。ただし、WTIは米国祝日明けの調整で下落し、2つの指標が逆方向に動く分かりにくい相場です。背景には、米国とイランの和平期待が揺らぎ、ホルムズ海峡の供給不安が再び意識されたことがあります。

きょうの値動き

米国時間5月26日の原油市場では、Brent先物が1バレル99.58ドルで取引を終え、前日比3.44ドル高、上昇率は3.6%でした。一方、WTI先物は93.89ドルで、前週末比2.71ドル安、下落率は2.8%です。WTIは米国のメモリアルデー休場分をまとめて織り込んだため、Brentとは逆に下げました。Reutersは、Brentが前日に7%下落していた反動に加え、米軍のイラン攻撃でホルムズ海峡再開への期待が後退したことを上昇要因として伝えています。

なぜ動いたのか

主因は地政学です。米軍がイラン南部で「防衛的な攻撃」を行ったことに対し、イラン側は停戦違反だと反発しました。米国とイランは停戦やホルムズ海峡再開をめぐる協議を続けていますが、合意にはまだ至っていません。市場は「和平で下がる相場」から「交渉が長引けば再び上がる相場」へ、目線を少し戻しています。

需給面では、ホルムズ海峡の通航制限がなお重い材料です。Reutersによると、イランは2月下旬の開戦以降、ホルムズ海峡を出入りする非イラン船舶の大半を実質的に止めており、世界の原油・LNG流通の約5分の1に影響しています。ただし、最近はLNGタンカー3隻やイラク原油を積んだ大型タンカーが通過したことも確認されており、「完全封鎖」ではなく「限定的に動き始めた」段階です。

金融市場要因としては、原油高がインフレ懸念を再び意識させています。一方、WTIの下落は米国祝日明けの遅れた調整という特殊要因も大きく、原油需要そのものが急に崩れたわけではありません。市場心理・ポジション調整では、和平期待で売った短期筋が、米軍攻撃のニュースを受けてBrentを買い戻した形です。

この動きは一時反応か

今回のBrent反発は、一時的なヘッドライン反応の面があります。前日に大きく下げた直後だったため、少し悪いニュースが出るだけでも買い戻しが入りやすい状態でした。

ただし、構造的な供給不安が消えたわけではありません。EIAの最新週報では、5月15日までの週に米商業用原油在庫が790万バレル減少し、ガソリン在庫も150万バレル減っています。原油在庫は5年平均を約2%下回り、ガソリン在庫も5年平均を約5%下回っています。つまり、価格が下がっても在庫面には余裕がありません。

現時点では、「原油高が完全に終わった」と見るより、「和平期待で下がるが、ホルムズ海峡リスクで戻りやすい相場」と見るのが妥当です。

日本への影響

日本にとっては、Brentが100ドル目前まで戻したことが重要です。日本は中東産原油への依存度が高く、Reutersは日本が中東から原油の約95%を調達してきたと説明しています。ホルムズ海峡の通航不安が残る限り、ガソリン価格、電気代、航空運賃、物流コストへの上振れリスクは続きます。

一方で、Brentが100ドルを明確に超えず、WTIが90ドル台前半に下がっていることは、家計や企業にとって一応の安心材料です。ただし、円安や輸送コストが重なれば、海外価格の下落が日本の店頭価格にすぐ反映されるとは限りません。

明日の注目点

明日は、Brentが100ドル台を回復するか、WTIが93ドル台で下げ止まるかが焦点です。加えて、米国とイランの協議が再び前進するのか、ホルムズ海峡を通過する船舶数が増えるのかを確認する必要があります。EIAの週間石油統計は米国祝日の影響で5月28日にずれ込むため、在庫減少が続くかも重要です。

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