原油市場日報 2026年6月18日

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原油価格は、急落後にいったん反発しました。Brentは79ドル台、WTIは76ドル台で取引を終え、米国とイランの合意がまだ最終確定していないこと、そして米原油在庫の大幅減少が買い材料になりました。日本にとってはガソリン価格や電気代の上昇圧力が和らぐ一方、ホルムズ海峡の正常化が遅れれば再び不安定化する局面です。

きょうの値動き

米国時間6月17日の原油市場では、Brent先物が1バレル79.55ドルで取引を終え、WTI先物は76.79ドルで引けました。いずれも前日から約1%上昇し、前日までの大幅下落から下げ止まる動きになりました。Brentは80ドルを明確に回復できていませんが、米国とイランの和平合意をめぐる不透明感が残り、売り一辺倒にはなりませんでした。

なぜ動いたのか

主因は地政学です。米国とイランの合意は市場に安心感を与えましたが、トランプ米大統領が「合意は最終ではない」との趣旨を示し、イラン側の対応次第では敵対行為が再開する可能性も残りました。ホルムズ海峡の再開期待は原油価格の下押し材料ですが、完全な正常化が確認されていないため、リスクプレミアムの一部が残っています。

需給面では、米在庫の大幅減少が価格を支えました。EIAによると、6月12日までの週の米商業用原油在庫は前週比830万バレル減の4億1820万バレルとなり、5年平均を約6%下回りました。戦略備蓄を含む米国の原油在庫も1985年3月以来の低水準まで落ち込んでいます。

金融市場要因としては、原油価格が80ドル前後まで下がったことでインフレ懸念はいったん和らいでいます。一方、市場心理・ポジション調整では、急落後の買い戻しと、将来の供給過剰を見込む売りがぶつかりました。IEAは、ホルムズ海峡の回復後、2027年には世界の石油市場が大幅な供給過剰に転じる可能性を示しています。

この動きは一時反応か

今日の反発は、一時的な下げ止まりと見るのが妥当です。米在庫の減少は強い材料ですが、価格の大きな流れは「戦争プレミアムの剝落」にあります。ホルムズ海峡の通航回復、イラン産原油の輸出再開、在庫減少の停止が確認されれば、Brentはさらに下値を試しやすくなります。

ただし、構造的な原油安に完全移行したとはまだ言えません。合意履行が遅れたり、レバノンや周辺海域で緊張が再燃したりすれば、原油価格は再び80ドル台後半へ戻る可能性があります。短期は地政学、中期は在庫、長期は供給過剰リスクを見る相場です。

日本への影響

日本にとって、Brentが80ドルを下回っていることは安心材料です。この水準が続けば、ガソリン価格、電気代、航空運賃、物流コストへの上昇圧力は和らぎます。ただし、国内価格への反映には時間差があり、円相場やタンカー保険料、元売り各社の在庫コストも影響します。

重要なのは、原油価格が一日下がったことではなく、Brentの80ドル割れが定着するかどうかです。ホルムズ海峡の通航が安定すれば家計にはプラスですが、再び中東情勢が悪化すれば、輸入コストはすぐに上振れします。

明日の注目点

明日は、Brentが80ドル台を回復するか、WTIが77ドル台を維持できるかが焦点です。あわせて、米国とイランの合意履行、ホルムズ海峡の実際の船舶通航量、米原油在庫の減少ペース、IEAが示した将来の供給過剰リスクを確認する必要があります。原油価格が今後どうなるかは、和平の見出しではなく、原油と石油製品が本当に安定して市場へ戻るかで決まります。

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