原油市場日報 2026年5月8日

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原油価格は、和平期待で下げたあと、再び中東リスクで揺り戻されました。Brentは100ドル近辺、WTIは94ドル台でいったん引けましたが、その後の米国・イラン情勢の悪化でWTIは97ドル台へ反発しています。日本にとっては、ガソリン価格や物流コストの上振れリスクがまだ消えていない局面です。

きょうの値動き

米国時間5月7日の原油市場では、Brent先物が1バレル100.06ドルで取引を終え、前日比1.21ドル安、下落率は1.2%でした。WTI先物は94.81ドルで、前日比27セント安、下落率は0.28%です。両指標は一時5ドル近く下げる場面もありましたが、引け後にはイラン周辺での緊張再燃を受け、WTIが97.18ドルまで上昇しました。

なぜ動いたのか

主因は地政学です。米国とイランが一時的な停戦・協議枠組みに近づいているとの見方が広がり、ホルムズ海峡の供給不安がやや後退しました。そのため、原油価格に乗っていたリスクプレミアムがいったん剝がれました。ただし、同じ日にサウジアラビアとクウェートが米軍によるホルムズ海峡の商船護衛再開を可能にする動きを見せたことや、イラン周辺で爆発音が報じられたことで、下落一辺倒にはなりませんでした。

需給面では、弱材料ばかりではありません。ロイターによると、イランの原油生産は日量約40万バレル減っている可能性があり、さらにアジアではホルムズ海峡の実質的な閉鎖により、ジェット燃料、ディーゼル、ガソリンの輸出量が大きく落ちています。4月のアジアの主要燃料輸出は、紛争前の平均より日量約300万バレル少ない水準でした。

金融市場要因としては、原油安がインフレ懸念を一時的に和らげた一方、引けにかけて価格が戻したことで米長期金利も上昇し、株式市場には重しになりました。市場心理・ポジション調整では、和平期待で売った短期筋と、ホルムズ海峡リスクで買い戻す投資家がぶつかり、値動きが荒くなっています。

この動きは一時反応か

今回の下落は、一時的なリスクプレミアムの剝落と見るべきです。Brentが100ドル近辺まで下がったとはいえ、ホルムズ海峡の通航正常化が確認されたわけではありません。むしろ現物市場では、アジアの燃料供給不足が続いており、先物価格だけを見て「原油市場は落ち着いた」と判断するのは早いです。

構造的な原油安に移るには、停戦合意、船舶通航の回復、イラン産原油の供給回復がそろう必要があります。反対に協議が破談し、ホルムズ海峡での軍事的緊張が再燃すれば、Brentは再び110ドル方向へ戻る可能性があります。

日本への影響

日本にとって、Brentが100ドル近辺まで下がったことは一応の安心材料です。ただし、円安が続けば輸入コストの低下は限定されます。さらに、アジアのジェット燃料やディーゼル供給が細っているため、航空運賃、物流費、電気代への波及リスクは残ります。ガソリン価格も、原油先物が数日下がっただけではすぐに下がりにくい点に注意が必要です。

明日の注目点

明日は、Brentが100ドルを明確に割り込むか、WTIが95ドル台を維持できるかが焦点です。あわせて、米国とイランの協議が本当に進むのか、ホルムズ海峡の商船護衛が再開されるのか、そしてアジアの燃料不足が改善するのかを確認する必要があります。原油価格が今後どうなるかは、和平報道の見出しだけでなく、実際にタンカーと石油製品が動き始めるかで決まります。

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