原油市場日報 2026年5月13日

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原油価格は3営業日続伸しました。Brentは107ドル台、WTIは102ドル台まで上昇し、米国とイランの停戦協議が再び行き詰まったことが買い材料になっています。日本にとっても、ホルムズ海峡の通航不安が長引けば、ガソリン価格や電気代、物流コストに再び上昇圧力がかかる局面です。

きょうの値動き

米国時間5月12日の原油市場では、Brent先物が1バレル107.77ドルで取引を終え、前日比3.56ドル高、上昇率は3.42%でした。WTI先物は102.18ドルで、前日比4.11ドル高、上昇率は4.19%です。両指標は前日も約3%上昇しており、原油価格は「和平期待で下げる相場」から「供給不安を買い直す相場」へ傾いています。

なぜ動いたのか

主因は地政学です。米国とイランの停戦案をめぐる隔たりが大きく、トランプ米大統領は協議が「生命維持装置につながれている」と表現しました。イランは敵対行為の停止、米海上封鎖の解除、原油販売の再開、戦争被害への補償を求めており、合意が近いとは見られていません。

需給面でも上昇材料が重なっています。EIAは、ホルムズ海峡が5月下旬まで実質的に閉鎖されるとの前提に修正し、中東の石油・ガス供給損失が従来想定より大きくなると見ています。Reutersによれば、海峡閉鎖に関連して4月の中東では日量1050万バレル規模の生産が失われたとのEIA推計も示されています。

金融市場要因としては、原油高がインフレ再燃への警戒を強めています。市場心理・ポジション調整では、先週の和平期待で売られた反動が出ており、WTIが100ドル台を回復したことで、売り方の買い戻しも入りやすくなっています。さらにAPI統計では、5月8日までの週に米原油在庫が220万バレル減少し、原油在庫は4週連続で減ったと伝えられています。

この動きは一時反応か

今回の上昇は、一時的なヘッドライン反応だけでは片づけにくくなっています。Brentが107ドル台、WTIが102ドル台まで戻したのは、市場が「停戦が近い」という見方を後退させ、ホルムズ海峡の供給不安を改めて織り込み始めたためです。

ただし、構造的な原油高が完全に定着したと断定するのも早いです。OPECプラスは6月の生産枠を日量18.8万バレル引き上げる方針ですが、ホルムズ海峡の制約が続く限り、実際の供給増として市場に届く効果は限られます。つまり、今の相場は「増産観測よりも輸送制約が重い」局面です。

日本への影響

日本にとって重要なのは、Brentが再び100ドル台後半に乗せたことです。中東産原油への依存度が高い日本では、ホルムズ海峡の不安が長引くほど、輸入コストへの影響が大きくなります。円安が重なれば、ガソリン価格、電気代、航空運賃、食品や日用品の物流費に波及しやすくなります。原油価格がなぜ上がったのかを追うことは、家計のインフレ圧力を読むうえでも重要です。

明日の注目点

明日は、Brentが108ドル台を突破するか、WTIが102ドル台を維持できるかが焦点です。あわせて、米国とイランの停戦協議、ホルムズ海峡の船舶通航状況、EIA週間在庫統計で原油在庫の減少が確認されるかを見たいところです。原油価格が今後どうなるかは、和平報道の見出しだけでなく、実際に原油と石油製品が市場へ届くかで決まります。

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