原油市場日報 2026年5月15日

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原油価格は、前日の下落後にほぼ横ばいで踏みとどまりました。Brentは105ドル台、WTIは101ドル台を維持し、ホルムズ海峡を一部船舶が通過した安心感と、船舶攻撃・拿捕への警戒が綱引きしています。日本にとっても、ガソリン価格や物流コストへの上振れリスクが消えたとは言えません。

きょうの値動き

米国時間5月14日の原油市場では、Brent先物が1バレル105.72ドルで取引を終え、前日比9セント高、上昇率は0.09%でした。WTI先物は101.17ドルで、前日比15セント高、上昇率は0.15%です。Brentは一時107.13ドルまで上昇しましたが、取引時間中はマイナス圏で推移する場面も多く、方向感は限定的でした。

なぜ動いたのか

主因は地政学です。イラン国営メディアが、ホルムズ海峡を約30隻の船舶が通過したと伝えたことで、供給不安はいったん和らぎました。ただし、戦争前に1日約140隻が通過していた水準と比べると、通航はまだ大きく制限されています。さらに、オマーン沖でインド船が沈没し、UAE沖では別の船が無許可の人物に乗り込まれイラン方面へ向かったと報じられており、安心感は限定的です。

需給面では、米在庫の減少が価格を下支えしました。EIAによると、5月8日までの週の米原油在庫は430万バレル減少し、4億5290万バレルとなりました。輸出増が在庫減の背景にあり、原油価格が大きく下がりにくい要因になっています。

金融市場要因としては、米中首脳会談も注目されました。ホワイトハウスによると、トランプ米大統領と習近平国家主席はホルムズ海峡を開いた状態に保つ重要性で一致し、中国側はホルムズ依存を減らすため米国産原油の購入拡大に関心を示しました。市場心理としては、「通航再開期待で売りたい投資家」と「船舶リスクで買い戻す投資家」がぶつかっています。

この動きは一時反応か

今回の小幅高は、一時的な落ち着きと見るべきです。ホルムズ海峡を一部船舶が通過したことは安心材料ですが、供給体制が正常化したわけではありません。Reutersの分析でも、現在の原油市場の落ち着きは、中国の買い控え、米国輸出の急増、各国の在庫取り崩しで支えられている面が大きいとされています。

つまり、構造的な原油安へ移ったとはまだ言えません。夏の需要期を前に在庫が減り続ければ、Brentの105ドル台は下値ではなく、再上昇の土台になる可能性があります。一方で、船舶通航が増え、米中協調や停戦協議が進めば、リスクプレミアムはさらに剝がれやすくなります。

日本への影響

日本にとって重要なのは、Brentが105ドル台に残り、さらに日本関連タンカーの通航も市場材料になっている点です。Reutersは、ENEOSが管理するパナマ船籍の原油タンカーがホルムズ海峡を通過したと報じており、日本のエネルギー調達がこの海域の安定に強く依存していることを改めて示しました。

原油価格が高止まりすれば、ガソリン価格、電気代、航空運賃、物流コストに波及しやすくなります。円安が重なる場合、海外原油価格が横ばいでも、国内の輸入コストは下がりにくくなります。

明日の注目点

明日は、Brentが105ドル台を維持するか、WTIが101ドル台からさらに上を試すかが焦点です。あわせて、ホルムズ海峡の通航船舶数、船舶攻撃や拿捕の追加情報、米中首脳会談後の原油購入・制裁関連の発言、米在庫減少の継続を確認する必要があります。原油価格が今後どうなるかは、和平や通航再開の見出しだけでなく、実際に船が安全に通れるかで決まる局面です。

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