原油市場日報 2026年7月4日

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週末前の原油価格は、ほぼ横ばいで終えました。Brentは71ドル台、WTIは68ドル台にとどまり、米国とイランの和平努力、ホルムズ海峡の通航回復、湾岸産油国の輸出再開が上値を抑えています。日本にとってはガソリン価格や物流コストの上昇圧力が和らぐ一方、円安と石油製品価格の高止まりにはまだ注意が必要です。

きょうの値動き

米国時間7月3日の原油市場では、Brent先物が1バレル71.94ドルで推移し、前日比14セント高でした。WTI先物は68.78ドルで、前日比9セント高です。米国独立記念日の祝日前で取引は薄く、週間ではBrentが前週末比でわずか5セント安にとどまりました。中東危機後の大幅下落はいったん落ち着きましたが、反発力も限られています。

なぜ動いたのか

主因は、地政学リスクの後退です。米国とイランの和平協議はなお不安定ながら継続しており、市場はホルムズ海峡の全面再開に期待しています。一方で、通航料や管理権限をめぐる問題は残っており、完全にリスクが消えたわけではありません。

需給面では、供給回復が上値を抑えています。OPECの6月生産は前月比で日量330万バレル増え、サウジ原油を積んだ大型タンカー少なくとも5隻、合計1000万バレル分がホルムズ海峡を出たと報じられています。さらにBrentの期近物が先の限月より安い「コンタンゴ」に転じ、短期的な供給余剰が意識されています。

金融市場要因としては、米国の連休前で取引量が細り、方向感が出にくい一日でした。市場心理・ポジション調整では、これまでホルムズ海峡リスクを見込んで買っていた投資家が、供給回復を見て買いを抑える一方、70ドル前後では短期的な買い戻しも入りやすくなっています。

この動きは一時反応か

今回の横ばいは、一時的な落ち着きというより、戦争プレミアムが剝がれた後の新しい均衡を探る動きです。Brentが70ドル台前半、WTIが60ドル台後半まで下がったことで、市場の焦点は「供給が途絶えるか」から「戻ってきた供給を需要が吸収できるか」へ移っています。

ただし、構造的な原油安に完全移行したと断定するのは早いです。米商業用原油在庫は6月26日までの週に380万バレル減り、4億840万バレルとなりました。ガソリン在庫も230万バレル減っており、在庫面にはまだ薄さが残っています。

日本への影響

日本にとって、Brentの71ドル台は安心材料です。この水準が続けば、ガソリン価格、電気代、航空運賃、物流コストへの上昇圧力は和らぎます。ただし、日本は2025年時点で原油輸入の94%を中東に依存しており、ホルムズ海峡の不安が再燃すれば再び輸入コストに跳ね返ります。ENEOSは9月までの代替原油を確保したとしていますが、中長期では調達先の分散が課題です。

週明けの注目点

週明けは、Brentが70ドル台を維持するか、WTIが70ドルを回復できるかが焦点です。あわせて、米国とイランの協議、ホルムズ海峡の通航量、サウジやクウェートの増産分がどれだけ市場に届くか、中国の原油需要が回復するかを確認する必要があります。原油価格が今後どうなるかは、和平期待の見出しではなく、供給回復と需要の弱さのどちらが勝つかで決まります。

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