金価格週報 2026年7月第2週|金相場は反落、米金利高止まりと中東リスクが重荷に

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今週の金価格は約1.7%下落。米金利高止まり、中東情勢、ドル円162円台、金ETF資金流出を整理し、来週の米CPIの注目点を解説します。

今週の金価格はどう動いたか

2026年7月6日から7月10日の金価格は、前週の反発から一転して下落しました。ドル建て金スポット価格は週初の4,190.12ドルから週末の4,119.43ドルへ下がり、騰落率は約1.7%の下落です。主因は、中東情勢の再緊迫による原油高とインフレ懸念、米利上げ観測、米10年債利回りの高止まりです。ドル円は週中に162円台後半まで円安が進んだ後、週末は161円台後半へ戻しました。来週は米CPI、FRB議長証言、米金利、ドル円が焦点です。

価格データで見る一週間の流れ

対象期間:2026年7月6日から2026年7月10日
週初の金価格:4,190.12ドル
週末の金価格:4,119.43ドル
一週間の騰落幅:マイナス70.69ドル
一週間の騰落率:約1.7%下落
週中高値:4,203.10ドル
週中安値:4,021.65ドル
確認時点:2026年7月11日 日本時間
参照価格:ドル建て金スポット価格、XAU/USD
補足価格:米金先物8月限は7月10日に4,113.70ドル前後
価格参照元:Myfxbook、Reuters、Investing.com

本記事では、MyfxbookのXAU/USD日足データを基準に、7月6日の始値を週初価格、7月10日の終値を週末価格として計算しています。7月6日は4,190.12ドルで始まりましたが、7月8日に4,021.65ドルまで下落。その後、7月9日に反発したものの、7月10日は再び上値が重くなり、週末終値は4,119.43ドルでした。

Reutersも7月10日、金スポットが4,103.23ドル付近まで下落し、週間では約1.7%安だったと報じています。米金先物8月限も4,113.70ドルへ下落しました。参照する価格指標や確認時点によって小幅な差はありますが、今週の金相場は「前週の上昇から反落」と見るのが自然です。

金価格を動かした主な材料

今週の金価格を動かした最大の材料は、中東情勢の再緊迫と、それに伴うインフレ・米利上げ観測です。Reutersは、米国とイランの緊張再燃で原油価格が上昇し、エネルギー価格を通じたインフレ懸念が強まったことが金価格の重荷になったと伝えています。

金はインフレへの備えとして意識されることがありますが、同時に利息を生まない資産です。原油高でインフレ懸念が強まると、FRBが利上げに動くとの見方も強まりやすくなります。その場合、米金利上昇を通じて金価格には逆風が吹きます。今週はまさに、安全資産需要よりも「高金利が長引く」警戒が上回った一週間でした。

米金利の影響

米10年債利回りは、7月6日の4.48%から7月10日の4.56%へ上昇しました。7月8日も4.56%、7月9日は4.54%と、週を通じて4%台半ばの高い水準が続いています。

金は利息を生まないため、米国債利回りが高止まりすると、投資家にとって相対的な魅力が低下しやすくなります。今週は米10年債利回りが下がりきらず、さらに利上げ観測も残ったことで、金価格の上値は抑えられました。

7月8日に公表された6月FOMC議事要旨では、高インフレへの警戒が強く、数人の参加者が利上げの根拠があると見ていたことが示されました。FRBは6月会合で政策金利を3.50〜3.75%に据え置きましたが、年内利上げを見込む参加者も増えており、金相場にはタカ派的な材料として受け止められました。

ドルと為替の影響

米ドル指数は、7月6日の100.85から7月10日の100.95へ小幅に上昇しました。週中には101.28まで上がる場面もあり、ドル建て金価格には上値を抑える材料となりました。

ただし、今週の主役は大幅なドル高ではなく、米金利とインフレ懸念でした。ドル指数はほぼ横ばいに近い動きでしたが、100台を維持したことで、ドル建て金価格を押し上げるほどのドル安材料にはなりませんでした。

ドル円は、7月6日の161.254円から7月10日の161.701円へ小幅に上昇しました。週中には162.707円まで円安が進む場面もあり、円建て金価格には一定の下支えが入りました。

日本の読者にとっては、ドル建て金価格だけでなくドル円の確認が欠かせません。今週はドル建て金価格が下落しましたが、ドル円が円安気味に推移したため、円建て金価格の下落はやや抑えられました。

地政学リスクと安全資産需要

中東情勢は、今週の金価格を大きく揺らしました。7月8日には、米国とイランの停戦合意が崩れたとの見方が広がり、原油価格が急上昇。Reutersは、原油価格の上昇がインフレ懸念を強め、利上げ観測を押し上げたと報じています。

通常、地政学リスクが強まる局面では、安全資産として金が買われやすくなります。ただし、今週はその関係が単純には働きませんでした。中東リスクが原油高を通じてインフレ懸念を強め、FRBの利上げ観測につながったためです。

7月9日には、前日の下落を受けた買い戻しで金価格が1%超反発しました。しかしReutersは、短期的な金価格の主因はFRBの金利姿勢であり、利上げが意識されれば金と銀には下押し圧力がかかるとの市場関係者の見方を伝えています。

金ETFと中央銀行需要

金ETFでは資金流出が続いています。Reutersによると、7月8日までの週に金・貴金属ファンドから3億7,200万ドルが流出し、8週連続の資金流出となりました。高金利環境では、利息を生まない金を保有するコストが意識されやすく、ETF需要の重荷になりやすい面があります。

一方で、中央銀行需要は金相場の中期的な支えとして残っています。Reutersは、中国人民銀行が6月に48万オンスの金を買い増し、20カ月連続で金準備を増やしたと報じています。中国の金準備は7,544万オンスに増加し、現物需要の下支え材料として意識されました。

ただし、インドでは価格変動の大きさから小売需要が鈍り、最大19ドルのディスカウントで取引されたとされています。つまり、中央銀行需要は支えになる一方、高値圏や価格変動の大きさは一部の実需を抑える要因にもなっています。

円建て金価格はどう見ればよいか

円建て金価格は、ドル建て金価格とドル円の掛け合わせで動きます。今週は、ドル建て金価格が約1.7%下落した一方、ドル円は小幅に円安方向へ動きました。そのため、円建て金価格の下落率は概算で約1.4%にとどまりました。

週初の円建て参考価格:1グラムあたり約2万1,700円
週末の円建て参考価格:1グラムあたり約2万1,400円
一週間の騰落幅:1グラムあたり約300円下落
一週間の騰落率:約1.4%下落

週末の計算方法:4,119.43ドル ÷ 31.1035 × 161.701円
円建て参考価格:1グラムあたり約2万1,400円

この数値は、国際価格と為替を使った概算です。国内小売価格、消費税、手数料、販売店価格とは一致しません。円建て金価格を見る場合は、金価格そのものだけでなく、ドル円が161円台から162円台でどう動くかも重要です。

ドル建て金価格が下落しても、円安が進めば円建て金価格の下落は抑えられます。反対に、ドル建て金価格の下落と円高が重なると、円建てでは下げが大きくなりやすくなります。今週は円安が一定のクッションになりました。

来週の注目ポイント

来週の最大の注目点は、6月分の米CPIです。米労働統計局の公表予定では、6月の消費者物価指数は2026年7月14日午前8時30分、米東部時間に発表されます。日本時間では7月14日夜に確認される材料です。

CPIが市場予想を上回れば、インフレ懸念が再び強まり、米金利とドルを通じて金価格の重荷になりやすくなります。一方、物価上昇の鈍化が確認されれば、利上げ観測が後退し、金価格の下支え材料になる可能性があります。

FRB議長の議会証言も注目です。Reutersは、投資家が来週のインフレ統計とケビン・ウォーシュFRB議長の議会証言を注視していると伝えています。FOMC議事要旨でインフレ警戒が示された直後だけに、発言のトーンが金相場の方向感を左右しそうです。

米10年債利回りも重要です。4.5%台で高止まりする場合、金価格には引き続き重荷になりやすいでしょう。一方、CPI後に利回りが低下すれば、今週下落した金相場が下げ止まる材料になり得ます。

ドル円は161円台後半から162円台での推移が続いています。円安が続けば円建て金価格の下支えになりますが、円高方向へ急に戻る場合は、円建て金価格にも下押し圧力がかかります。

金ETFの資金フローにも注意が必要です。8週連続で資金流出が続くなか、CPI後に金利見通しがどう変わるかは、金ETFへの資金流入・流出を左右する可能性があります。

まとめ

2026年7月6日から7月10日の金価格は、週間で約1.7%下落しました。前週は弱い米雇用統計を背景に反発しましたが、今週は中東情勢の再緊迫、原油高、インフレ懸念、米利上げ観測が重荷となり、金相場は反落しました。

円建て金価格は、ドル建て金価格の下落を小幅な円安が一部相殺しました。週末時点の概算では、1グラムあたり約2万1,400円の水準です。

来週は、米CPI、FRB議長証言、米10年債利回り、米ドル指数、ドル円、金ETFの資金フローを確認することが重要です。特に、インフレ指標が利上げ観測を強めるのか、それとも金価格の下げ止まりにつながるのかが焦点になります。

本記事は市場情報の整理を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

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