原油市場日報 2026年7月7日

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原油価格は、きょう朝時点で中東危機前の水準に近いまま推移しています。Brentは71ドル台、WTIは68ドル台で、ホルムズ海峡の通航回復とOPECプラスの増産方針が上値を抑えました。日本にとってはガソリン価格や物流コストの上昇圧力が和らぐ材料ですが、円安と在庫の薄さにはまだ注意が必要です。

きょうの値動き

米国時間7月6日の原油市場では、Brent先物が1バレル71.99ドルで取引を終え、WTI先物は68.55ドルで引けました。価格は小幅な動きにとどまりましたが、6月前半までの中東危機相場と比べると、原油価格は大きく落ち着いています。市場は「ホルムズ海峡が止まるリスク」よりも、「供給が戻る可能性」を強く見ています。

なぜ動いたのか

主因は需給です。OPECプラスは8月から追加増産を進める方針を決め、サウジアラビアも販売価格を引き下げました。さらに、ホルムズ海峡経由の輸出が回復し、湾岸産油国からの供給が市場へ戻り始めています。これにより、原油価格には下押し圧力がかかりました。

地政学面では、米国とイランの協議が完全決着したわけではありませんが、ホルムズ海峡の通航が大きく回復したことで、戦争プレミアムはかなり剝がれています。一方で、ロシア製油所への攻撃や、米国とイランの交渉停滞といった不安材料は残っており、地政学リスクがゼロになったわけではありません。

金融市場要因としては、原油安がインフレ懸念を和らげる一方、世界的な株高でリスク選好も続いています。市場心理・ポジション調整では、中東リスクを見込んで買っていた投資家が、供給回復を見てポジションを落としている状態です。

この動きは一時反応か

今回の落ち着きは、一時反応というより、戦争プレミアムの剝落が続いている動きです。Brentが70ドル台前半、WTIが60ドル台後半にあることで、市場の焦点は「供給不足」から「増えた供給を誰が買うのか」へ移っています。OPECプラスは増産を進めていますが、実際にどこまで供給できるか、そして中国などの需要がどこまで戻るかはまだ不透明です。

ただし、構造的な原油安に完全移行したと断定するのは早いです。米国の商業用原油在庫は6月26日までの週に380万バレル減り、4億840万バレルとなりました。これは5年平均を約7%下回る水準です。価格は下がっていますが、在庫という安全余地はまだ厚くありません。

日本への影響

日本にとって、Brentの71ドル台はガソリン価格、電気代、航空運賃、物流コストへの上昇圧力を和らげる材料です。中東情勢が落ち着き、ホルムズ海峡の通航が続けば、家計や企業にとってはプラスです。

ただし、円安が続けば、ドル建て原油価格の下落がそのまま国内価格に反映されるとは限りません。さらに、タンカー保険料や石油製品価格が高止まりすれば、ガソリン価格の下落には時間差が出ます。家計目線では、Brentが70ドル台前半で定着するか、円安が落ち着くかをセットで見る必要があります。

明日の注目点

明日は、Brentが70ドル台を維持するか、WTIが68ドル台で下げ止まるかが焦点です。あわせて、OPECプラスの増産が実際の出荷にどこまで反映されるか、ホルムズ海峡の通航回復が続くか、そして7月8日に公表予定のEIA週間石油統計で在庫減少が続くかを確認する必要があります。原油価格が今後どうなるかは、中東情勢の見出しだけでなく、供給回復と在庫の数字で決まる局面です。

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