原油市場日報 2026年7月14日

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原油価格は、週明けに急騰しました。Brentは83ドル台、WTIは78ドル台まで上昇し、米国とイランの衝突再燃、ホルムズ海峡の閉鎖宣言、米国による海上封鎖再開が一気に織り込まれました。日本にとっても、ガソリン価格、電気代、物流コストへの上振れリスクを再び意識すべき局面です。

きょうの値動き

米国時間7月13日の原油市場では、Brent原油が1バレル83.30ドルまで上昇し、前日比9.6%高となりました。WTIも78.14ドルまで上がり、前日比9.4%高です。Brentは2020年5月以来の大幅な日次上昇となり、6月中旬以降に剝がれていた中東リスクの上乗せ分が、週明けに一気に戻った形です。

なぜ動いたのか

主因は地政学です。週末に米国とイランがミサイル・ドローン攻撃を応酬し、イランがホルムズ海峡の閉鎖を宣言しました。これに対し、米国はイラン関連の船舶に対する海上封鎖を再開したと報じられています。ホルムズ海峡は原油・LNG輸送の急所であり、ここが止まると実際の供給量だけでなく、タンカー保険料や運賃も跳ね上がりやすくなります。

需給面でも、在庫の薄さが価格を支えています。米戦略石油備蓄は7月10日時点で3億1650万バレルまで減り、1983年4月以来の低水準となりました。商業在庫と備蓄を合わせた米原油在庫も7億3080万バレルと、1984年以来の低さです。供給不安が出たときに、在庫で吸収する余地が小さくなっている点は重要です。

金融市場要因としては、原油急騰がインフレ懸念を再燃させ、株安、債券利回り上昇、ドル高につながりました。市場心理・ポジション調整では、先週まで供給回復を見込んで売っていた短期筋が、ホルムズ海峡リスクの再燃を受けて一斉に買い戻したと見られます。

この動きは一時反応か

今回の急騰は、まずは地政学ニュースへの一時反応です。ただし、一日限りの値動きと軽視するのは危険です。原油価格はまだ4月の高値圏には届いていませんが、ホルムズ海峡の通航が再び制限されれば、Brentの80ドル台定着や90ドル方向への上振れもあり得ます。

一方で、構造的な原油高に戻ったと断定するには早いです。OPECプラスの増産方針や、これまで進んでいた湾岸産油国の輸出再開は上値を抑える材料です。つまり、今の相場は「供給回復で下がる力」と「中東リスクで跳ねる力」が正面からぶつかっています。

日本への影響

日本にとって、Brentの83ドル台回復は警戒材料です。原油価格そのものだけでなく、ホルムズ海峡の船舶リスクが再燃すると、タンカー保険料や海運コストが上がり、ガソリン価格、電気代、航空運賃、食品や日用品の物流費に波及しやすくなります。

さらに円安が重なると、ドル建て原油価格の上昇は国内の輸入コストに強く反映されます。米国ではガソリン価格が再び上昇し、燃料在庫の薄さも指摘されています。日本でも、原油価格だけでなく、燃料製品価格と海運コストを見る必要があります。

明日の注目点

明日は、Brentが83ドル台を維持するか、WTIが80ドルに接近するかが焦点です。あわせて、イランのホルムズ海峡閉鎖宣言が実際の通航量にどこまで影響するか、米国の海上封鎖が長期化するか、そして7月15日公表予定のEIA週間石油統計で在庫の薄さが続くかを確認する必要があります。原油価格が今後どうなるかは、軍事衝突の見出しだけでなく、実際にタンカーが安全に通れるかで決まります。

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