原油市場日報 2026年7月16日

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原油価格は、米国とイランの軍事衝突が再び激しくなるなかで上昇しました。ただし、ホルムズ海峡をめぐる供給不安が強まっている割に上昇幅は限定的です。市場が地政学リスクに慣れ始めた一方、供給が実際に細れば、日本のガソリン価格や物流コストにも影響が及ぶため警戒が必要です。

きょうの値動き

米国時間15日の通常取引では、Brentが1バレル84.95ドル、WTIが79.60ドルで終了し、それぞれ前日比0.3%前後上昇しました。その後の時間外取引では、Brentが85.93ドル、WTIが80.56ドルまで上昇し、地政学リスクを改めて織り込む動きとなりました。

なぜ動いたのか

主因は地政学です。米軍がイランの沿岸防衛設備などへの攻撃を続け、米国はイラン港湾に対する海上封鎖も再開しました。イラン側も周辺地域の米軍関連施設を攻撃し、ホルムズ海峡だけでなく、紅海へ通じるバブ・エル・マンデブ海峡への波及も意識されています。

一方、需給面は上値を抑えました。EIAによると、米原油在庫は前週比170万バレル減少しましたが、市場予想の260万バレル減には届きませんでした。留出油在庫も460万バレル増加しており、米国内の供給が急速に逼迫しているとの見方は後退しました。

市場心理では、米国とイランをめぐる強硬な発言や攻撃が繰り返されてきたため、投資家がすぐには大きなリスクプレミアムを上乗せしなくなっています。これが、緊張激化の割に原油価格が急騰しなかった理由です。

この動きは一時反応か

足元の上昇はヘッドラインへの短期反応という面が強いものの、完全な一時反応とは言い切れません。湾岸地域の原油輸出が戦争前の半分以下まで落ち込んだとの推計もあり、海上輸送の停滞が長引けば構造的な供給不足へ変わる可能性があります。反対に、輸送が正常化すれば地政学上乗せ分は縮小しやすくなります。

OPECプラスは8月に日量18万8,000バレルの生産調整を実施する方針ですが、市場環境に応じて増産の停止や撤回も可能としています。この柔軟姿勢は供給不安を和らげる一方、価格を大きく押し下げるほどの材料にはなっていません。

日本への影響

WTIが80ドル台、Brentが85ドル台で定着すれば、日本では円相場とあわせて原油輸入価格の上昇が意識されます。ガソリン価格への反映には時間差がありますが、輸送費や航空燃料、電力・化学製品のコストを通じて家計や企業収益を圧迫する可能性があります。

明日の注目点

次の焦点は、ホルムズ海峡周辺で商船への攻撃や通航制限が広がるかどうかです。軍事衝突が続いても輸出量が回復すれば上値は抑えられますが、湾岸地域からの出荷停滞が確認されれば、Brentは再び90ドル台を試す展開が意識されます。

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